会長あいさつ

日本小売業協会 会長 野本 弘文

会員の皆様には日頃より当協会の事業運営にご支援ご協力を賜り誠にありがとうございます。去る5月25日に開催されました第44回定時総会において令和4年度の事業計画および収支予算が承認され、今後、これらに沿って、会員の皆様のお役に立つ事業を積極的に展開してまいりたいと存じますので、引き続きよろしくお願い申しあげます。

さて、コロナ禍も3年目を迎え、ウィズ・コロナの社会生活も定着しつつありますが、決して歓迎すべきことではございません。1日も早いコロナの収束を願っていますが、コロナ前のような生活が戻らないことを覚悟することが必要です。

また、ロシアのウクライナ侵攻の影響や円安も相まって、輸入材料やエネルギー関連の価格高騰から、原価は上がっているものの、販売価格に簡単には反映できず、小売業にとって大変厳しい状態となっております。この難局に立ち向かっていくためにも、1社2社の力ではなく、小売業界として、皆様と一緒になって知恵を出していくことが必要ではないでしょうか。

昨今、百貨店、スーパー、コンビニ、ドラッグストアなど、業態の特徴はそれぞれありますが、同じような商品を取り扱い、業際もはっきりとは分からなくなってきております。DXやGXなど共通の課題も数多くあります。

流通を含むサプライチェーンやグローバル化の課題も1つの業界で解決できる問題ではございません。これからの小売業界を生き抜くためにも、それぞれの協会の垣根を超えた対応が必要になってきております。私は、そのために日本小売業協会はあるのではと思っております。

日本小売業協会の役割の1つにアジア太平洋小売業者大会への参画がありますが、コロナの影響で1年延期されましたインドネシア大会は、各国のコロナ状況を踏まえ、オンライン形式により、年内に開催される予定です。20の国・地域が参加予定ですので、本大会を通じて、各国の最新小売事情を知ることができます。皆様、奮ってご参加くださいますようお願い申しあげます。

DXの分野では、本年11月に、「リテール&ITリーダーシップフォーラム」を開催する予定です。「小売業サプライチェーンの競合から協働へ」をテーマにこれまで各社が取り組んできたDXの推進を、流通サプライチェーン全体の課題と捉え、標準化や協業することによって生産性の向上にお役に立てればと思っております。ぜひ、ご参加くださいますようお願い申しあげます。

こうした課題以外でも小売業界全体として取り扱うべき課題や案件について、皆様からのご提案やご協力を得ながら、進めてまいりたいと思っておりますので、引き続きどうぞよろしくお願い申しあげます。